ニトリグループは1980年に「札幌物流センター (札幌DC) 」を開設し、1995年には最新鋭のビル式自動立体倉庫システムを導入しました。自動立体倉庫とは、従来人手で行っていた「入出庫」「保管」「仕分け」などの作業を、機械設備、制御システムによって自動化する仕組みです。これは、在庫管理の精度向上と省力化を目的としたもので、当時としては先進的な取り組みでした。現在では、より進化した設備を備え「石狩DC」へと拠点を移し、さらに効率的で精度の高い倉庫運営を行っています。

高密度収納型の自動倉庫システムで、専用コンテナ (ビン) を立体的に積み上げ、その上をロボットが縦横無尽に走行して入出庫作業を行う仕組みです。従来の倉庫作業では、作業者が広い倉庫内を歩きまわって商品を探していました。導入後は作業者が決められた場所 (定点) に立ったままで作業が可能となりました。歩行距離の削減や作業時間の短縮が実現し、省力化と効率化が大きく進みました。オートストアはホームロジが日本で始めて導入し、物流業界における革新的な取り組みとして注目されました。

スワップボディコンテナは、運転席と荷台を分離可能な構造を持つ特殊トラックで、物流効率とトラックドライバーの労働環境の改善を目的に導入されています。荷台部分のみを倉庫で積み下ろしできるため、ドライバーは運転に専念でき、長時間労働や荷役負担を軽減。中継拠点での荷台交換により、輸送時間の短縮と車両回転率の向上も実現します。国土交通省からも注目され、令和2年には国土交通大臣賞を受賞するなど、持続可能な物流の新たなモデルとなっています。

ホームロジのモバイルトレーニングユニット (MTU) とは、トラック型の移動式研修施設です。納品・吊り上げ・接客などの家具の納品や接客の技術を、実際の現場に近い環境で学べるのが特徴です。全国どこでも開催できるため、地域に関係なく均一な教育が可能。展示会にも出展され、企業の魅力発信にも活用されています。2019年にはグッドデザイン賞を受賞し、物流業界の教育改革を象徴する取り組みとして注目されています。

埼玉県幸手市に位置する「幸手DC」は、ホームロジスティクス最大の規模を誇る物流センターです。ニトリグループの物流戦略の中核を担い、全国の店舗やECを物流面から支える重要な役割を果たしています。 幸手DCでは機械化を進めており、ロボットアームやケース自動倉庫など、最先端の自動化技術を導入。従来の人力中心の作業から脱却し、機械化による省力化と効率化を実現しています。圧倒的なスケールとテクノロジーで、安全性と効率性を兼ね備えた次世代物流を実現しています。