※1 クロスドック:メーカーなどから入荷した商品を集約、目的地ごとに仕分けて出荷する施設
※2 ピースソーター:大量多品種の商品を集約し、バラ単位で行き先ごとに仕分ける機械
働きやすい環境を実現するための未知への挑戦
2014年9月に開催された国際物流展でAuto Storeの存在を始めて知りました。半分興味本位で「これは面白い!」と、すぐにシミュレーションを行っていただきましたが、規模や金額が大きく、イメージが沸かずに一度流れてしまいました。
2015年2月にドイツで開催される物流機器の展示会に参加した際、そのついでに、ぜひノルウェーまでオートストアを見に来てほしいと営業の方に誘われ、そこで初めて稼動するオートストアを見学しました。実際に見るオートストアは、ロボットが機敏に動き、スピーディーにビン(容器)を搬送してその様子にとても感心しました。ただ、それ以上に驚いたのは、人の作業環境でした。庫内は完全空調で、音楽を聴きながらリラックスして作業している様子に、自社とのギャップを痛感し、我々もオートストアでこのような倉庫を実現したい!」とその場でPJが立ち上がりました。

予想を超える社会的反響
日本で初めて導入することもあり、作業する部分は全てゼロから細かく仕様を決めました。コンベアの引き方、台の高さや位置をミリ単位で調整、タッチパネルに表示する情報、表示する色、文字の大きさ、配置、ボタンの名称など…一つひとつの仕様を細かく設定することで、全体のシステムが成立っています。
すべての背景に『思いやりあふれる社会の実現』という企業理念が軸にあり、現場の作業をする方も巻き込んで長時間の打合わせを重ね、仕様を決定していくことができました。
2016年3月の記者発表会を皮切りに、TV・新聞・雑誌の取材を何十本も受けた結果、この取り組みを世に広く公開し、延べ1,500名以上の方々が実際に見学しに来られ、私たちの理念を体感してもらうことができました。企業トップはもちろん、生産性向上や労働環境改善の好事例としてノルウェーの首相や国土交通大臣にもご来館いただきました。
また、ホームロジとして初めてグッドデザイン賞に挑戦し、「人に優しいロボット倉庫」として見事受賞いたしました。オートストアは企業理念を体現する、一事例になりました。

大切なことは「企業理念」に立ち返ること
結果として、一本芯の通った物ができたと考えています。
オートストア導入は、あくまで我々技術開発の取組む機械化の第一歩でしかありません。今後も新DCの設計・建設など、大規模な機械設備の導入の計画が目白押しです。引き続き世界中の新技術を検証し、導入へのチャレンジを続けていきます。
